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INTRODUCTION

白泉社ヤングアニマル誌で連載され、かわいらしいタッチでありながら戦争が日常であるという狂気を圧倒的なリアリティで描き、第47回日本漫画協会賞優秀賞を受賞した『ペリリュー 楽園のゲルニカー』。ちばてつや、花沢健吾、重松清、有川ひろ、原泰久、里中満智子、三浦建太郎、奥浩哉、吉田裕など、クリエーター各界から絶賛コメントが寄せられた戦争マンガの新たなる金字塔が、劇場アニメーションとして遂に映画化!
太平洋戦争末期のペリリュー島、漫画家志望の兵士・田丸が任命されたのは亡くなった仲間の最期の勇姿を遺族に向けて書き記す「功績係」だった。同期ながら頼れる上等兵・吉敷とともに戦った南国の美しい楽園は、襲いかかる米軍の精鋭4万人と、極力無意味な玉砕を禁じられ、徹底持久を命じられた日本軍1万人によって狂気の戦場と化していた。“戦争”が“日常”にあった時代、若者たちが極限世界で壮絶に戦い、懸命に生きた、史実に基づく戦火の友情物語。
太平洋戦争、すでに日本の戦局が悪化していた1944年9月15日から約2か月半間繰り広げられたパラオ南西部ペリリュー島での戦い。日本軍にとって一斉突入して玉砕する“バンザイ突撃”を禁じられ、持久戦で時間稼ぎをするよう方針転換がなされた最初の戦いとなり、その方針は硫黄島へも引き継がれている。米軍4万に対し日本軍1万で開戦したが、最後まで生き残った日本兵はわずか34人。米軍も1600人以上が死亡したとされ米海兵隊史上最も激しい戦いと言われている。その犠牲の多さと過酷さに対してほとんど語られることのない「忘れられた戦い」となり、2025年現在でも千を超える日本兵の遺骨が収容されず島に眠っている。

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